「ポケットモンスター」という、進化し続ける“絆”の物語

1996年に登場した『ポケットモンスター 赤・緑』。
　ゲームボーイの小さな画面の中で、プレイヤーは見知らぬ草むらに足を踏み入れ、最初のポケモンと出会う。その瞬間から始まるのは、単なる「モンスター集め」ではなく、人と生き物の共存を描く壮大な冒険譚だった。

「捕まえる」ではなく「出会う」

　ポケモンの魅力は、「捕まえる」という行為の奥にある“出会い”の哲学にある。
　草むらでランダムに現れるポケモンは、一期一会。
　偶然の出会いがやがて仲間となり、共に成長していく過程は、人間関係そのものだ。
　バトルという形で互いを試し、進化を通じて強くなる——それは絆が形を変えていく成長の象徴でもある。

世界中に広がる「子ども心」

　ポケモンは日本発のゲームでありながら、今や世界共通語のような存在だ。
Pokémon”という単語を知らない子どもはほとんどいない。
　スマートフォンの『Pokémon GO』は、人々を家の外に連れ出し、知らない街の公園で見ず知らずの人と笑顔を交わすきっかけになった。
　テクノロジーが「孤独」を生む時代に、ポケモンは逆に「つながり」を生み出したのだ。

終わらない冒険

　ポケモンシリーズのテーマソングには、しばしば「旅」「進化」「ともだち」という言葉が登場する。
　それはつまり、ポケモンという作品が「終わらない成長物語」であることを示している。
　新しい地方、新しいポケモン、新しい主人公——時代が変わっても、根底に流れるのはひとつ。

「君と出会えてよかった」

　この一言に、ポケモンという世界の本質がすべて詰まっている。

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